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働き方改革

2017年06月

企業における長時間労働が社会問題になり、一定規模以上の会社では職場でストレス・チェックを行うことが法制化されて、より効率よく働き労働時間を減らさなければいかんという「働き方改革」の必要性が盛んに唱えられています。世の中は日々便利になっていくのに、なぜかストレスは増えていくばかり。人間の心というのはなかなかに複雑であり、単純に利便性が高まればストレスが減るというわけでもないようです。そんなことは今言われ出した話ではなく、物質的な豊かさがイコール精神的な幸せにつながらないというようなことは、もう大分前から巷で言われており、実際、昔に比べれば今の若い人達は物質的な豊かさは追及しなくなっているようです。それは計らずも、以前に比べて物質的にはある程度豊かであるのが当たり前の状況となり、もはや物質的な豊かさを追求するためにストレスを持つのは割に合わないということの反面でもあるわけです。

 そう考えてくると、人間はあるストレスに耐えると後に報いられると信じられれば、案外積極的にそのストレスを掴みに行く存在なのかもしれません。ちょっと前までは、職場のストレスというのは我慢すれば物質的な満足に繋がるという確信を多くの人が持てたのでしょう。だからみんなその物質的満足を求めてストレスを積極的に取りに行った。ところが、今はもうその確信は一般的ではないのです。国がいくら躍起になって企業に給料を上げてくれと頼み、また実際にいかばかりか上がったところで、それにより取り立てて物質的な豊かさが大きく変わるわけではありません。それにそもそも、技術革新で日常必要なものは何でも安価で手に入るようになり、別にこれ以上の物質的な豊かさを大してみんな求めていないのです。それなのに、世の中はいまだにストレスの対価として物質的な豊かさを与えるという発想から抜け出すことができていません。このことが、職場におけるストレスは報われないという発想に繋がっていく。早い話、仕事がつまらないわけです。だからそこに長時間拘束されてしまうと、精神的にもたなくなっていく。本当の働き方改革というのは単に労働時間を減らすことではなく、この負のサイクルを断ち切ることにこそ本質があるのではないかと思うのです。

しかし、ではどうやって?その鍵になるのは、職場におけるストレスの対価として物質的な豊かさ以外の何を用意するのかということにあるわけですが、そうすると今の人達が一番欲しいものは何なのか?ということをまず考えなければいけません。私は一つにはそれは孤独からの解放かなと思います。どうも人間というのは、本来が社会的な動物にできていて孤独は精神衛生上非常によろしくないようなのですが、世の中都市化だデジタル化だバーチャル化だので、プライベートでは人と関わることもそうそう簡単ではなくなっているようです。なので職場で人とのつながりを提供する。とは言っても、今時運動会だとか社内旅行だとか、そういう一部の人間の嗜好に付き合わされることに人とのつながりを感じる人は少ないのですから、ここはズバリ、本丸の業務を通じて人とのつながりを用意する。つまりなるべく一人でやる仕事を減らし、チームでやる仕事を増やしていく。これは一見、労働時間を減らすために個人責任のあり方を明確にし、無駄な会議をやめようという流れに逆行するようにも見えるかもしれませんが、私はそうでもないと思います。長時間労働になってしまう理由にも色々ありますから一概には言えませんが、多くの職場において、「心理的裏労働時間」というものの存在があると私は思っています。要するに、正式な終業時間とは別に各人の中で自らが定めた終業時間というものが精神的に裏で存在する。例えば、それはAさんにとっては夜10時でBさんにとっては夜11時というように人によって違うが、いずれにしても各人その時間が来れば仕事があってもなくても帰るし、逆にその時間までは職場にいる。そこにはあまり業務量との相関関係はないわけです。

 なぜ仕事がなくても定時で帰らないのか。これももちろん様々なケースがあると思いますが、定時時間中の業務があまりにもデジタル化され効率重視の個人志向になっているために、そこでは対人交流欲求が満たしきれず、会社を離れて孤独になる準備が整っていないから、という理由が確かに存在するように私には思えます。従って定時内に人との交流を増やせば、かえってみんな満足して早く帰るようになるのではないかと思うのです。

更にもう一つ、どうも人間にとって一番よろしくないストレスというのは、そのストレスの元となっている事柄が始終頭にこびりついて離れない、すなわち忘れられないことなのだそうです。そして1日5分それを忘れられる時間が持てれば、それだけでストレス対策としての効果は絶大であり、そのために最も有効なのは運動により身体的な負荷をかけることだというのです。と言うことは、働き方改革の中では運動を取り入れることが職場におけるストレス対策の有効手段となるのではないかと思いますが、これも今更みんなでラジオ体操でもやりましょうと言っても納得感がないでしょうから、より直接的に業務に身体的負荷を取り入れていくことを考えるのが必要になります。とりあえずは、外出する業務や身体を動かす作業を意識的に増やしていくということになるでしょうか。

そして最後に、働き方改革で一番重要なこと。それは仕事ありきではないということの再認識だと思います。これは何も、これまでの考え方を大きく変えなければいけないという話ではありません。これまでだって、仕事自体が生きがいの一つということもある反面、その根拠自体が、より豊かな生活をしていくために必要なお金を稼げるからという副次性を持っていたわけです。今の時代は豊かさの源泉が物質的なものから精神的な安定に変わろうとしている中で、それを提供する機能を職場に期待する。私は、これはおかしいことではないと思います。一言で言えば、仕事を楽しめる環境づくりをする。それこそが働き方改革の本質ではないかと思うのです。


代表取締役CEO  奥野 政樹
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