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CEOニュースレター

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中小企業のPR戦略

2016年05月

知名度を上げたい。もっと世間に名前が売れていれば、簡単に商品が売れるのに。でもそのためには大金がかかってしまう。どこの中小企業でもこのジレンマは感じているはずです。しかし私は、中小企業には中小企業に合ったPR戦略というものがあると思います。大企業の真似をしてテレビコマーシャルを打ったりイベント協賛をしたりしても、所詮大金はかけられないのですから質・量ともに三流のことしかできない。正直な話、三流のコマーシャルやイベント協賛にはそれ自体なんのPR効果もありません。やっぱり、中小企業はPRについての考え方を根本的に変える必要があると思うのです。
 まず最初に大事なことは、知名度を上げて売り上げを伸ばそうという、PRの目的自体を見直すことです。PR、つまり世の中とつながることとセールス、つまり商品を売ることははっきりと分けて考えるべきだと思うのです。商品を売ることが目的でないのならば、なぜ世の中とつながらなければいけないのか。それは会社としての視野を拡げ、独りよがりに陥らず、質の高い判断と行動をしていく能力を養うための社会経験です。

先日、ある学生ベンチャーの方と面会しました。テレアポのときから私は、「御社のサービスには興味がないから100%商談にはならないが、学生ベンチャーというのには興味があるので、それでもよければ」とはっきり伝えています。それでも彼は来ました。案の上、商談にはまったくなりません。来る前に彼は「そのインターナップ・ジャパンへの訪問がどのように売り上げに結び付くのか」と社長から問われ、答えに窮したそうです。それを聞いて私が感じたのは、「随分と金の亡者だな」ということです。つまり、こういうスケールの小さい会社とは付き合いたくないということになります。お金にならないことは一つなりともやらないという会社の視野は広がらず、新鮮なものの見方もできなければ、苦しい時に繰り出す技の引き出しもなくなります。たまたま売れる商品でもあるうちはいいですが、それが何かの拍子にコケてしまえば、そこでポッキリと折れて終わってしまうのです。
 だから会社は外の世界とつながらなければいけません。ただ、誰とでもむやみやたらに繋がればいいというわけではありません。人間と人間の関係でもお互いを成長させるつながりというのは、基本的にお互いの価値観が大筋で合っている場合です。ですから「自社に合う価値観とは何か」を判断する必要があるのですが、そのためにはまず、自社の価値観とは何かを知らなければいけません。この自社の価値観こそが「ブランド」というものの根幹となり、それを世の中に打ち出していくことがPR活動になるわけです。当社で言えばそれは外向きには「行動」と「成長」となりますが、社員向けにはより心に響くようにより過激でエッジの効いた言葉に置き換えています。「ブランド」は同じことを伝えるにも外向きと内向きでは言い方を変えるのがよいと思います。

さて、自社「ブランド」が決まったら、次はそれに合う人を探してつながるという行為が必要となります。ここで注意すべきは合う会社や業界ではなく「人」を探すこと、そして役職やプロフェッショナルではなく価値観、つまりより性格にスポットを当てていくということです。理由は当社を例に説明すればわかりやすいと思いますが、当社のブランドである「行動」や「成長」というコンセプトは、感情を持たない「会社」という人格擬態には理解不可能ですし、また役職やプロフェッショナルによってそういう価値観に共感できるかが決まるものでもありません。あくまでも人間本位となるわけです。
 ここまで来ると後は、自社のブランドに「合う人」が集まる場を特定し、そこに出没して交流する、あるいはイベントなどを企画してそうした「合う人」達を集めるということになります。このときに大切なことは、そういう「合う人」達の行動や思考のパターン、趣向を緻密に想定していくことです。これはどこにも参考書はありませんから、PRを担当する人は自らの経験と感性で大胆に仮説を立てていく必要があります。そしてアプローチの仕方もその人達の趣向に合わせて、手段から言葉遣い、すべてにおいて綿密に計画されたものである必要があります。例えば当社であれば、「方法論」や「How To」を主題とした交流会には行きませんし、またそういうセミナーも開催しません。そういうところにはどうしても、自らの悩みを居ながらにして解決しようという効率主義の人たちが集まりがちです。そういう人達と当社は「合わない」のです。当社のブランドと親和性があるのはそうした頭の良い効率性ではなく、もっと刺激的で、攻撃的、かつ荒削り、しかし独創性に満ちているものです。当社はそういう人達が集まる場に近づいていくし、またそういう人達を集める場を提供していく。これが当社のPR戦略の核であるということになります。
 最後になりますが、このようにPRとは人間という危うい存在を扱う業務である以上、想定・仮説はいつでも感覚的で大筋において根拠レス、つまるところよくはずれます。ですから、常に実態に合わせて想定、仮説を作り直し、施策を練り直していかなければなりません。世の中で一番つまらない言葉の一つであり私個人は大嫌いですが、いわゆる「PDCA」を回すということが相当程度重要になってくる、数少ない業務の一つがPRだと思うのです。

代表取締役CEO  奥野 政樹
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