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アルファ・メイル

2015年12月

アルファ・メイルについての記事を読みました。米国のコンサルティング・グループによる英語の記事です。アルファ・メイル症候群が職場で引き起こす問題、(つまり簡単に言えば、パワハラです。)について面白いことも書かれているのですが、少々、奥歯に物が挟まった感のある釈然としないところも多々あります。そこで、以下私なりのアルファ・メイルについての考えを書きますが、お断りしておかなければいけないのは、これは特に学術的な検証がなされていることではなく、基本、私の想像です。事実と異なるところが多々あっても、責任は取りかねますのでご了承ください。

 アルファ・メイルとは、本来動物の集団におけるオスのボスを指すようです。その条件は単純で、力が強いこと。そしてその機能は、食物の先取りとメスの総取りです。ただ、こうした存在はかなり高等な生物においてのみ出現するのではないかと私は思います。現に、蜂や蟻の世界では、オスではなく、メスが集団の中心にいます。

私が思いつくアルファ・メイルの典型例は、ライオンの世界に見られます。そこでは、一頭のボスライオンが多数のメスを引き連れてハーレムを作るわけですが、基本そのボスは寝ているだけで何もしません。それでも、メス達が命がけの集団行動で捕ってきた獲物を最初に思う存分いただきます。生まれてくる子供はすべて自分の子ですが、子育てなど一切行いません。ただ唯一真剣になるのは、他のオスが自分のハーレムを乗っ取りに来た時で、その時だけは必死で戦います。負ければメスを全部取られるだけでなく、自分の子供はすべて殺されるからです。

 なぜこのような不条理が許されるのか。おそらく、種の保存という観点から一番効率がよいからでしょう。力が強いものの遺伝子を優先的に残していくという、シンプルな仕組みです。しかしこの仕組みは、人間という極めて複雑な生物の誕生により、生活環境自体がライオンの想像が及ぶはるかに上の次元で恣意的に変えられてしまう事態に及び、その有効性に疑義が生まれています。早い話が、人間のせいで種の保存はより困難になっているのですから、ハーレムを乗っ取ったオスは、前のボスの子を殺さずに養子にすべきだということです。この対応が上手くできないのでライオンはどんどん数が減っています。

 これが、より進化した猿になるとやや趣は変わってきます。猿のアルファ・メイル、つまりボスは、食べ物やメスを独り占めしたりしません。つまり猿クラスになると、種の保存には単に力の強さだけでなく、その他の様々な能力、つまり多様性が必要であるということがわかっているのです。そういう集団においては、ボスの役割は集団の多様性自体を維持すること、つまり集団の中で誰も脱落させないことです。つまりここには弱肉強食原理の緩和・修正が見られるのですが、猿レベルだとまだ、教育とか相互扶助制度の構築、その運営とまではいきませんから、ボスがやることと言えば喧嘩の仲裁くらいに限られます。

さて、その猿から進化した人間ですが、道具を持ったり、火を制御したりできるようになり、更には食べ物を自分達で育てて増やすことまでできるようになってくると、今度は種の保存のために、より積極的に集団で簒奪行為を行うようになりました。結局、いくら豊かになってもそれだけ人数も増えますから、やっぱり競争は無くならないし、その競争こそが、優秀な遺伝子を後世に残していくためにはどうしても必要なふるいであることは変わらないわけです。簒奪を行う集団あれば、当然そこには簒奪から身を守る集団というものも登場し、そこに戦争が起こります。この状況下におけるアルファ・メイルの役割は、戦闘に勝つためのリーダーシップを発揮することです。その中身は、刻々と変化する状況に対して瞬時に最適の手段を判断し決定する能力と、その決定を集団で実行するために一糸乱れぬ統率を維持する力、つまり判断力、決断力、統率力の3点セットです。また、戦闘集団の長になる以上、自らも戦闘力が高くなければ説得力はまるでありません。腕力も必要です。つまり人間の男というのは、自らの存在意義を証明するために、判断力、決断力、統率力、腕力の高さを誇示するよう、DNAによりプログラミングされているのです。つまり、それが男の本性であり、本能なのです。

しかし近頃、人間は文明の発展もあり、多くの場合は、どうも武力闘争というものは種の保存上で効率が著しく悪い状況になっていることに、相当人数が気付いてしまっています。つまり戦争というのは避けるべきものであるということが、常識化しているということです。そういう状況下においてアルファ・メイルが、社会の至るところでその本能を種の保存という根本的な目的に資することのない形で発揮することとなり、多大なる害悪をもたらしている。これが、冒頭に挙げた記事の背景にあるものです。

 記事はビジネス界における弊害を色々と挙げていますが、私に言わせれば、ビジネス界というのはそれなりにチェック機能が整っており、全体目的にそぐわないものは排除される仕組みにかなりなっていますから、まだマシです。問題は、そうしたビジネス界では本能を思う存分発揮することを抑制されているアルファ・メイルが、それを発揮するために、よりチェック機能を欠いている集団の長になってしまう場合です。この状況になると、そのボスは全体目標とは関係なく火の無い所に煙を立て、戦闘状態を演出し、その仮想空間で不毛な判断、決断、指揮命令を連発することになるわけです。こうなるともう、周りの人はたまったものではありません。そういう困った状況が起きやすい環境として、学校のPTAとマンションの管理組合があり、残念ながら、私も複数の残念な事例を見聞きしています。

こうした状況の変化に対応するために、人間の男はアルファ・メイル本能を退化させているのかもしれません。そしてその傾向は、元来が農耕民族であり、必ずしも戦闘志向が強いとは言えない日本のような国ではより強く出ます。その結果が草食系男子なるカテゴリーを生んでいるのかもしれず、そうするとこの傾向は、人類が種を保存していくための新しい知恵なのかもしれません。ただ、よく言われるところの草食系男子というのはそもそも女性に対して消極的だということになると、果たして本当にこれは種の保存に繋がるのか。更にこの点について、肉食系女子がいるからいいじゃないかという反論を聞くと、果たして、猿やライオンですらなく、蜂やアリの境地に達することが果たして進化なのか、今後よく研究していく必要のあるところでしょう。

代表執行役CEO  奥野 政樹
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