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CEOニュースレター

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2015年06月

妻がよく「男が書く女心の歌はズレていてダメだ」と言っています。 私は函館にゆかりがあるので、「津軽海峡冬景色」の「♪北へ帰る人の群れは 誰も無口で、海鳴りだけを聞いている」という歌詞が好きです。幼い頃よく、寝台 列車を降りて早朝の青森駅を青函連絡船の待つ桟橋まで、東京よりどこか重く 感じる北国の空気の中を歩いた感覚がしみじみと蘇ってきます。ただ私にとって この曲の遡及点はここだけで、全体としてどういう曲なのかということはあまり考 えたことがありませんでした。
 
 妻が言うには、この曲はその「ズレていてダメ」の代表だそうです。作詞は阿久悠ですが「あの人、いつもそうなんだよなあ」とのことで、「オジサン受けするように、女がいつまでも引きずってるみたいに書いてるんだろうけど、女は過去なんて意外にカラっと忘れちゃうんだよね。恋に破れても北には帰らないわけ。」とのこと。私はそういう時、「え、そういう曲だったんだ」と意外に感じつつも、妻に対してはつくづく「この人、モテなかったろうな。」と思います。男が心の奥隅で密かに大事にしている繊細な価値観をバッサリと切り捨てる感があるからです。


悔しいので反対の曲はないかなといつも探しています。つまり、女が男心を詠んでいて、女からの評価は高いが男から見ると「ズレてしまっててダメ」な曲です。それが、妻の好きな曲であれば尚更いいわけです。しかし、意外にこれがありません。女は、あまり男の心に踏み込んだ考えをしないものなのかもしれません。敢えて言えば、吉田美和作詞の「未来予想図II」。「♪ブレーキランプ5回点滅、ア・イ・シ・テ・ルのサイン」でしょうか。「これをやる奴の本質は女の敵なんじゃないのかな」というのが男の一般論ではないかと思いますが、「モテない男は、すぐこれだから」と反撃されるのが必定なので、迂闊には言えません。
 
 あとは、妻の好きな曲と言えばユーミンの「海を見ていた午後」。そこに出てくる「♪ソーダ水の中を貨物船がとおる。小さなアワも恋のように消えていった」のくだりを、「いいよねえ、これ。」と言って繰り返し聞いています。何がいいのか私にはさっぱりわからないので、どうしても「♪貨物船の中でソーダ水が…」となり、あれ、どうしちゃったんだっけ、飲んだんだっけ、こぼしたんだっけ、となってしまいます。いずれにしても、この曲は女が女心を詠んだ曲であり、私が探し求めているものではありません。ただ言えることは、確かにユーミンの書く女心は阿久悠のものとは違って、どこか他人事で、男に対する真剣味に欠けたところがあり、男の私にはかなり物足りないものがあります。結局妻の言うとおり、男が女に期待する真剣味は幻想なのかも知れません。


と、そんな時、相変わらず習っているピアノの課題曲で竹内まりやの「駅」が出てきました。よく知らない曲だったのでネットでまず探して聴いたところ、「えっ!」という感じです。竹内まりやというと、これまで高学歴、高才能、高美貌、ついでに旦那も高才能。殆ど何でも持っている女性向けアイコンかと思っていましたが、この曲は男受けを意識して作っている、そんなフレーズが方々に散りばめられています。中でも珠玉なのは、駅で2年前に別れた彼を偶然見かけた時に、声もかけられずにこみあげてくる胸の内を「♪懐かしさの一歩手前で、こみあげる苦い思い出」と読んでいる部分。これこそ、男が女に期待する真剣味を、洗練された言葉で見事にあらわしています。
 
 裏を取るために、男の友人何人かに聞いてみました。まず驚いたのは、全員がこの曲を知っていました。そしてやはりこのフレーズは「刺さる」ようで、みな私より熱く語り始めました。妻にひとしきりこのあたりの事情を説明し、「ほら、男心がわかる女もいるじゃないか。この人はモテるな。」と事細かに解説しておきましたが、あまりいい顔をしないので、その後、ピアノの練習はヘッドホンをつけてやっています。

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代表執行役CEO  奥野 政樹
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