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CEOニュースレター

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目的感知力

2014年05月

当社でも世の中の御多分に漏れず、各社員に業務に関するフィードバック面談というものを年2回行います。4月がその時期であり、今回も終了しました。面談を行うのは各人の上司、人事部長、それに私。以前は、被面談者よりも面談者の方に私が問題を感じることが多く、 面談の方向性をその場で修正していくことに手一杯になってしまい、社員を成長に向けて方向付けをしていくということがなかなかできませんでしたが、人も変わり、今は随分と進化しました。日々の業務に対するフィードバックは各上司に任せ、私はもう少し各社員の成長のための土台作りの方に注力できるようになったのです。


事例に基づいた具体的な話は基本的に各上司にしてもらい、私は抽象的な話をすることが多くなるわけです。これを、全部とは言わないまでも、なにがしか本人達の心にフックしておいて、後々それが無意識にでも、経験を成長に昇華させていくための触媒になる。こういうことを目指してトークをするということになります。マニュアルもないし、そもそも上手くいっているのかも客観的には評価のしようもないという、仕事らしい仕事です。各人について、性格、普段感じられる周囲との関わり、会社での位置づけ、サイド情報等を参考に、何をどう伝えるかを練ります。実際にやってみると想定と違う反応の場合もありますから、随時、修正を行いながら面談をします。他人の心に何かをフックするには、基本はサプライズが一番効果的ですから、意外性というのがとても大事になるわけですが、それが、自分では気付いていなかった未知のことに対する驚きに繋がらなければフックはかかりません。意外に褒められた、叱られたというような評価に対する驚きでは、相手に対する気持ちの変化は起こっても、自己の中には大したものは残らないということです。
 こういうのは複雑怪奇で、本当に方法論には落としにくいのですが、例えば、相手がまだちょっとしっくりこないであろうということを伝えるときは、囲碁における「厚み」や星飛雄馬の「消える魔球」等、わざと相手が絶対にわからない例を引用したりします。その方がわからないなりに少なくともサプライズは引き起こせるでしょう。わかりやすい卑近な例を挙げると説教がましくなり、よろしくありません。


こうして社員と少し落ち着いて向き合えるようになってから、私も色々と新しいことがわかってきました。まず、成長とは何かということですが、会社においてこれは、よりレベルの高い社員になること、つまりより困難な仕事を質量ともに高いレベルでできるようになることです。では、そのために必要なこととは何なのか。どうも、世の中すぐに専門スキルの修得の方に目が行きがちですが、実は違います。大事なことはリーダーシップと協働性を高めることです。いわゆる「大きな仕事」は一人ではできません。リーダーシップと協働の質こそが、どれだけ良い仕事をできるかに直結するわけです。専門スキルも大事ですが、リーダーシップと協働に資するものでなければ意味はありません。どんなに立派な資格を持っていても、または難しいことをできたり知っていたりしても、それで他人を惹きつけられないのであれば、まったくもって宝の持ち腐れ。そんなことは、ビジネス・パーソンとしてのレベルとは無関係です。
 そこまでは今までもわかっていたことです。そしてリーダーシップと協働性を高めていくには、とにかく他人と仕事をするという実戦経験を積んでいくしかありません。そのために、誰のせいかなんてグズグズしていないで、行動を起こせ、他人に迷惑をかけることなど恐れるな、ずるいことさえしなければ、行動している者の周りに自然といい仲間が集まると、ずっと説いてきたわけです。


更に、今回の面談シリーズで社員達と話していて、行動を起こすことを阻む壁の正体がかなり見えたように感じました。それは、自分のやっていることの目的が感知できないということです。今、自分は何を目指しているのかということが自分で腑に落ちていないので、行動を取ろうにも何をしていいのかわからない。こういう壁にぶつかっている社員が何人か存在しました。それは、なにも初級ビジネス・パーソン固有の問題ではなく、中級になっても上級になっても存在します。ただレベルが上がってくるに従って、感知すべき目的が一点集中的で具体的なものから、だんだんと複合的で概念的なものになっていく。つまり、レベルが上がれば感知すべき目的がそれだけとらえにくい難しいものになっていくので、成長とともに目的を見失って壁にぶつかってしまうということになるわけです。
 例えば、セールスの新入社員なら、感知すべき目的は「自社商品を売ること」だけでよいわけです。それだけで、自分が取るべき行動は十分に見えてきます。それが、ずっとレベルが上がって社長になれば、そうはいかなくなります。社長というのは利益を出すのがまず目的ですが、どういうスパンでどういう形の利益を出すことが求められているのかということになると、これはもう、そう簡単に答えは出ない哲学的な代物です。私は色々な会社の経営理念、つまり社長の目的意識をよく読みますが、世界平和や人類の幸福といったウルトラマンや仮面ライダーの領域にまで踏み込んでいるものもよく見かけます。それくらい、目的というのは最後は超人的でとらえようのないものになっていくわけです。


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当社の場合、私が人間レベルでしか目的を感知していないので、当然社員にも人間レベルしか求めていません。それでも、目的感知の壁にぶつかっている社員は各段階にいます。そういう社員たちはその壁を突き抜けて目的が見えたとき、大きく成長する、今回の面談シリーズでそういうことを強く感じました。自分で行動してリーダーシップと協働性を高めることがまずは成長の条件ですが、壁の前で行動ができなくなっている人達は、時に後ろから押してあげることも必要なのだろう。そんなことを改めて感じさせられた面談シリーズでした。


代表執行役CEO  奥野 政樹
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