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ノートパソコンを自力で修理することの効用

2017年03月06日

私としたことが、先日、会社支給のノートパソコンDell Vostro 2520ちゃんを誤って落下させ、液晶パネルを全損させてしまった。週末、自宅にパソコンを持ち帰った際の悲劇だった。入社以来ずっとこの子を使ってきて、非常に愛着があるノートパソコンだけに私の悔恨の情は痛烈を極めた。

大事なパソコンを、家に持ち帰ったりするからこんなことになるんだよ…とお思いだろうか。決して言い訳ではないのだが、いや、言い訳をさせて欲しい!我々は法人向けインターネットを提供しているインターネットサービスプロバイダだ。我々のロイヤルカスタマーは、我々のインターネットサービスを使って社会的にも責任を負うミッション・クリティカルなサービスを提供している。そんな重要なサービスを提供すべく信頼に足る、落ちないインターネットサービスを実現するためには、システムによる自動化も勿論なのだが、人による支えも必要なのだ。当然ネットワーク・オペレーション・センターが24時間監視しているが、この週に限り、重要なメンテナンスの後だったため、安息日であるにも関わらず、技術部は輪番制で自宅でVPNを張り、重点監視をしていた。その日は私の番だったのだ。

三島由紀夫によると、いかなる偶然と思われる不運も、実は自分でその運命を掴みにいっているものだそうだ。確かに、安定したVPNを維持するために、自宅では有線を使うのが常であった私が、その日に限り無線に切り替え、慣れない移動などしてみたのだ。その結果が、これである。イエス・キリストは磔刑に処せられて後三日後に復活したが、私のパソコンは三日たっても一向復活する気配は見られなかった。私は、おおいにしょげた。

不幸中の幸いで、損害は液晶パネルだけで済んだ。きれいに面で落下したため外傷もない。一番衝撃に弱いハードディスクは、夙にSSDに替えていたのでデータ破損を免れた。外部モニターをつなぐと元気にWindowsが起動した。

社内で不始末の処置について揉めていると、Dellからひらりと一枚のダイレクトメールが届いた。なんとも絶妙なタイミングである…

代表取締役は寛大にも「新しいの買いなさい」と言ってくれている。吸い寄せられるように、じゃあDellに見積りを…と電話に手を伸ばしかけた私をけん制してくれたのは、技術部長であった。部品を自分で買って直せ!というのだ。私は耳を疑った。そんなことができるのか!?

「もちろん業務で利用するパソコンであり、正規保証のついた新品を新たに買う方が安全ではあるし、そもそもねじを外した時点でメーカ保証から外れてしまい、すべて自己責任になる。だが考えてみてほしい、深夜データセンターなどで行う作業中にノートパソコンの調子が悪くなった場合、そのノートパソコンのソフトウェアからハードウェアまで熟知していなければ、つまりどのようなパーツが、どの程度の壊れやすさでこの小さな箱の中に納まっているか熟知していない限り、その場で修理できるのか、作業を継続できるのか、つまりどうしたら作業を継続できるか、判断することは難しい。なんだかよくわからないが端末の調子が悪いので作業できない、という技術者にあるまじき報告を行うことは許されない。ノートパソコンの液晶程度、自力で交換できるほどの能力を身につけねばならぬ!」ギーク上がりで、ノートパソコンのジャンク再生が趣味の技術部長は言い放った。なるほど納得である。しかも自力で修理した方が、部品代だけで済み圧倒的に安い。私は自力で修理する決心をした。

早速昼休みを利用してアキバのジャンク屋数件にお邪魔したが(インターナップのオフィスはアキバに歩いて行けるところにあるのだ)、残念ながらVostroは無かった。そこで、ヤフオクとアマゾンでVostro 2520の液晶パネルを検索してみた。すると、怪しい出品が、出てくる出てくる。ヤフオクは有料IDが必要なため今回はアマゾンにした。どの出品者も同じような価格設定なので、中でも親切そうなところを選んだ。¥6,500、新品とある。だいぶ博打の要素が強い。こんなリスキーな買い物は、私は初めてなのだ。商品は、届くのだろうか。注文を確定した後も、不安が残った。

三日後、データセンターで作業している私に朗報が入った。液晶パネルが届いたというのだ。私は嬉しさのあまりスキップしてオフィスに戻った。運送が速いだけでなく、梱包も丁寧至極である。しかも、液晶パネルの互換性についてのメモ書きまで添えていただいた。肝心の液晶パネルは新品でぴかぴかで、私の満足げな顔を映した。私の判断は正しかった。

ところで私は不器用である。手を動かすのは苦手である。中世の家内手工業労働者になど、決してなれぬ。ねじ回しやペンチといった工具には、願わくば手を触れないで一生を終えたい。ねじで止めてあるものをわざわざ外してまで分解する者の気がしれぬ。自宅にはねじまわしやペンチといった工具は一切ない。これらの工具を手にする位なら、高額でもいい。買う方を選ぶ。そんな私が今回技術部長に鼓舞され、自らねじまわしを取る決心をしたのは会社の支給品をぶっ壊してしまったことにたいする贖罪の意を込めてのことなのだ。私なりに反省しているのである。

尚、分解にあたり電源ケーブルやバッテリーパックは確実に外しておくことだ。さもないと、高圧電流に焼かれ、贖罪どころではない、私自身が贖罪の儀式で捧げられる焼かれた供物になってしまう。

まずは液晶パネルの枠を外す。これはねじではなく、素手でパリパリと剥がれた。

次に、液晶パネルを固定しているねじを外していく。ねじの右横に見える小さな基盤は、Wifiのアンテナである。パネルの反対側にも、左右対称に同じものがついていた。

液晶パネルの横にも。どんどん外していく。

ねじを全て外すと、今度は内蔵カメラの配線だ。注意して外す。

液晶パネルが外れた。

本体と液晶パネルをつないでいる配線を、慎重に外す。ケーブルは強力な粘着テープで液晶パネルにべったり貼り付いている。配線を痛めぬよう、ゆっくり剥がす。

破損した液晶パネルを外し終え、新しい液晶パネルにケーブルを接続した。後は、今までの流れを逆にたどっていくだけである。

無事組立が完了した。張り詰めていた緊張から一気に解放される瞬間だ。

ところがだ。電源を投入しても、動かない。調べると、液晶パネルではなくマザーボード側の配線が緩んでいた。故障個所を調べるために、あちこち分解したためだ。ところがキーボードが邪魔で、ケーブルがうまくささらない。目が霞む。意識が朦朧とする。贖罪とは言え、大嫌いなねじの開け閉めを10個以上もやったのだから無理もない。

作業場から漏れ聞こえる私のすすり泣きの声を聞きつけ、急きょ技術部長とバックボーン・ネットワークエンジニアが駆け付けてくれた。結局、大の大人を3人も出動させる大規模メンテナンスとなってしまった。

再度電源投入。見事に立ち上がった!

以上である。今回自力での修理に挑んだお蔭で、もはや私の体の一部となっているDell Vostro 2520ちゃんの内部構造を、更に深く知ることができた。愛着が増したのは言うまでもない。しかも、費用は¥6,500しかかかっていない。非常に安くて、そして実のある授業となった。皆さんもノートパソコンを破損してしまった際は、本ブログを思い出し、ぜひ自力での復旧にチャレンジしていただきたい。

技術部 間庭

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