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IT現場の実践英会話講座

2016年07月13日

こんにちは。技術部インストールエンジニアマネージャーの間庭です。

今回のブログは、英語を第二の武器にしようと勉学に励んでいるIT技術者に向けて書いた。私自身独学で英語を習得し、いざインターナップというバイリンガルな環境に身を置き、様々な国の顧客と英語でしかもIT技術者としてコミュニケーションをする立場になった。これからご紹介するバイリンガルなIT実務現場の一コマが、皆さんの語学勉強の励みになってくれれば幸いである。

私はインターネットの開通担当エンジニアなので、新規顧客であれば導入に関するコンサルティングを、既存顧客であれば構成変更などに関するコンサルティングを、英語で進める。パラメーターやネットワーク構成を取り交わすためメールでのやり取りがメインであるが、電話を片手にイギリスの顧客企業の技術者と会話をしながらお互いのルータ設定をしたこともある。また来日した顧客の接待役を務めることもある。

私はこの英語力を、独学で身に着けた。私自身、帰国子女でもなければ海外生活経験(後述するが)はほとんどない。アメリカン・スクールに通ったわけでもない。東京の片田舎で普通の義務教育を受けた。つまり一般的な日本の庶民である。そして日本にいながらにしてTOEICは905点である。悪くはない成績だと思っている。

私の育った環境が、いかにバイリンガルからかけ離れた平凡なものであったかを紹介しよう。海外へは、高校時代と大学時代に二回カナダに行った。最初が1ヵ月、二度目が20日間。何のことはない、学校が企画したホーム・ステイである。ところが私は虚栄心から、この二回の経験を「海外生活」と称している。父親がアメリカ人というわけでもない。両親ともに思いきり日本人である。英語など、喋らない。母親は人の話を聞かないで一方的に喋るので、日本語でのコミュニケーションすら怪しい。初めてパソコンを買ったときは、ダブル・クリックのことをダブル・クリニックと言っていた。父親はその反動のせいか、ほとんど喋らない。置き物に近い。やはり英語でのコミュニケーションとは程遠い。バイリンガルどころの話ではない。

ところで私の発音はネイティブ並みである。昔よくつるんでいた横田基地の友達から、マニちゃん(私の愛称)と喋っていると、(同国の)同僚と喋っている気がする、とよく言われたものだ。これには理由がある。

私が英語の勉強に力を入れ始めたのは、中学生の時であった。1980年代後半である。私の育った東京の片田舎では、インターネットどころかコンピュータも普及していなかった。海外の情報など、入って来ようがない。まだ見ぬ世界に対する中学生の妄想は、とめどなく馳せた。外国映画の(YouTubeなど無い時代である)スターのようにネイティブの英語が喋れると、女の子にモテると思った。ネイティブのように、これが重要であった。日本人のカタカナ英語では、女の子は振り向いてくれない。母国語のように、英語を話す。すると、もてる。これが私の英語の勉強に対する、すべての原動力であった。

普通の中学生であれば、英語の教科書に出てくる単語を覚えたり、訳したりするであろう。ところが私は違った。私は最初に、発音記号を覚えた。皆さんは発音記号はご存じだろうか。アとエの中間音を表す記号があるのである。これらの発音記号とセットで、頭を鼻の真ん中でぱかっと割った口中の断面図が掲載される。この断面図を元に、自分の舌の動きを正確に追った。完全な発音を再現しようと努めた。さらに、教科書販売店で教師用のカセットテープを買い求め、文字通りテープがすり減るまで聞き込んだ。皆さんはカセットテープをご存じだろうか。CDやDVDなどは無い時代である。当時流行ったマイケル・ジャクソンのスリラーの歌詞は、中学生の私によってすべて発音記号に変換された。

こうして高校生になる頃には、英語学習の到達目標である「ネイティブの如く英語を話す」は大方達成された。一向にモテる気配はなかったが。

こんな私の英語力にも弱点がある。それは、モテることだけに熱意を注いだことに起因する。曰く、リスニングが弱いのである。流暢に話すことだけに情熱のすべてが注がれた結果である。それは今もって克服すべき大きな壁である。喋り続けることはできるが、相手の言っている事は理解できない。会話が一方通行なのである。しかしモテるためには喋り続けなければならない。これは苦痛である。

私の目の前には、英国出身のネットワークオペレーションセンターマネージャーが座っている。英国紳士である。イギリスアクセントである。英国紳士の御多分に洩れず、会話にシニカルなブラックジョークや、機智に富んだ婉曲な表現を鏤(ちりば)める。オスカー・ワイルドの小説のようである。彼が喋る。エンジニアチームでどっと笑いが起こる。そして、私だけが取り残される。私は仕事でかまうヒマがない振りをしながら、口惜しさに唇を噛みしめる。私はその一言に込められた気の利いたブラックジョークが分からないのではなく、何を言ったか聞き取れないのである。笑いが確実に収まった後で彼の横に行き、もはや過去のものとなった会話をぶり返す。”What did you say? Why did they laugh?”と聞き直す。そして、教えてもらった一言一句を、漏らさず秘密のノートに書き記す。そのノートには、涙の記憶とともに、過去にやり取りされた実用英会話が克明に記されている。

I go get a coffee.
コンビニへ100円コーヒーを買いに行った時の会話の記録である。「一杯のコーヒー」は、教科書で習った”a cup of coffee”じゃないのか!?教科書で習った文法に則って話してくれないと、聞き損じる恐れがある!彼の答は、日常会話では面倒くさくなって、しばしば短縮されるんだよ、というものだった。発展形でI go get a beerもあるそうだ。
Thank you for letting me know.
小用に行ってくる、と言って席を立った時の彼のご挨拶だ。わざわざ言わなくてもよいことをいちいち口に出す習癖のある私に対し、英国紳士的な非難の矢を報いた形だ。
I don’t believe in that kind of stuff. For me, it is just a piece of paper.
その類のものは信用しないんでね、僕にとってはただの紙切れさ。
これは、インターナップの皆で初詣した際に、日本の文化だよと神田明神のお護りをあげた時の彼のご挨拶であった。よって、私の机にだけはお護りが二つ貼ってある。その次の行、You’ll have twice the luck.という彼の追い討ちの一言をも、私は一言漏らさず聞き直すことを怠らなかった。運が二倍になるよ、の意である。

ここで、インターナップの日常で取り交わされる英語による技術的なやり取りをご紹介しよう。ISPという職業柄ネットワークに関するものがほとんどだが、英語環境によるITの仕事にどの程度の英語力が必要とされるかイメージできると思う。尚、ISPなのでやり取りされるIPアドレスは全てグローバルIPであるが、すべてプライベートIPに書き換えていることをお断りしておく。

“We have customer connection issue from IP address 192.168.1.1, and we are suspect the packet was dropped before reaching our ISP router. Can you please check if there was any traffic from 192.168.1.100 passed Internap ISP to our ISP router during the time window as below?

July 10
JST 11:00AM – 12:30PM

Thanks.”

障害をissueといい、ある一定の期間のことをtime windowという。メンテナンス時間なども、maintenance windowという。そして、指定した時間がどこの国の時間なのか、ここでは親切に我々日本のJSTに合わせて問い合わせしてくれている。

“I suggestion start around 16:00 local time to do this testing if possible.”
“Is 16:00 local time JST? That is 3:00PM (China time).”
“Yes. Thanks.”

作業時間の調整である。local timeが上海と日本のどちらのlocalなのか?確認した際の一節だ。あっさりしたものである。尚、最初の一文は文法的に間違っているかもしれないが、堂々たるものである。実際のビジネスの場では、完全無欠な英語は必要ないようだ。意味が通じること。これが第一で、どうしても通じなければCould you say that again?やCould you please reword it?といい直してもらえばよい。

“We are expecting one small package delivery tomorrow (monday) to the datacenter;
It is a small box of 1 KG, containing 5 Dell iDrac, sent from our datacenter in the Netherlands. Can you please approve the shipment? We will pick it up this week.”

インターナップのデータセンター宛に、DellのiDracが届くから受け取ってね、という依頼である。データセンターへの入館の次に、最も多い事務処理である。

“Do you care about which server should come on top of which?”
“No, whichever is okay.”

2台のサーバをラックマウントする時の会話である。どちらのサーバが上でも下でもよいとの回答。ラフなお客様の例である。

“Do the NICs on the servers have a description like “eth0” or “NIC1” etc?”
“It is eth0.”

2台のサーバの配置はよいが、サーバ背面を見るとNICが複数ある。これは「どちらでもいいよ」というわけにはいかないだろう。さすがにこれは明示的に指定してもらった。eth0と書かれた方が正解である。

“Our ASN is 64512.
We plan to use the following prefixes as start up.
172.16.1.0/24
172.16.2.0/24
172.16.3.0/24
Default route is enough.”

BGPの設計を詰めるフェーズである。
ASN = AS番号は、ここでもプライベートAS番号に置き換えている。お客様が自分で用意したASNである。
お客様がインターナップに対しadvertise広報するのは、上記3プレフィックス。いずれもProvider Independent Addressだった。逆にインターナップからお客様にadvertiseするのは、デフォルトルート0.0.0.0/0だけでいいよ、とのことである。

本ブログ執筆時点の2016年7月時点で、インターナップで受けているインターネットの全ルート数は、59万弱。Full Routeを指定すると、この59万ルートがお客様ルータに流れ込む。それなりのメモリとパワーが必要だ。
後はインターナップのパラメータシートに本情報を落とし込み、BGPピアリング用MD5パスワードを付加して提出。終了である。
BGPの設計となると、厳密な設計がベンダー間で取り交わされるとお思いだろうか。日本のお客様は厳密な仕様書を提示いただくこともあるが、海外のお客様に至っては、上記の如くあっさりしたやり取りがほとんどである。

“I see that the volume did not exceed ~2.38 Gbps inbound traffic on our Internap uplink, so there shouldn’t have been any congestion for us.
However, we do see a dip in our normal traffic patterns as a result of this attack. Is it possible that any of Internap’s own upstream ports became congested?”

お客様がDDoS攻撃を受けた際のやり取りである。volumeとは、DDoS攻撃のトラフィック量だ。10Gbpsをご契約のお客様なので、これしきの攻撃はなんのそのである。ただし、攻撃トラフィックを除外した彼らの純粋なサービストラフィック量にdip凹み、減少が見られたそうだ。お客様も想像の通り、インターナップの先のどこかのISPで、輻輳により正常なトラフィックが影響を受けたかもしれない。

“I thought 192.168.1.1 was the virtual IP? If you shutdown interface on router1 , shouldn’t router2 take the IP?”
“No,
192.168.1.1 Active physical IP
192.168.1.2 Standby phsycal IP
192.168.1.3 VIRTUAL IP
So, .2 is going to take the vip of .3.”

インターナップのHSRP Virtual IPの指定を、お客様が間違えた際のトラブルシュートである。フェールオーバー試験でActiveルータをshutdownした際に、インターネット通信が止まった。Standbyルータに迂回されない。何故か。インターナップのVIP: 192.168.1.3をお客様のゲートウェイアドレスに設定するところを、物理IPの192.168.1.1を指定していたのである。よって192.168.1.1をshutdownしたらインターネット接続できなくなるのは当然だ。

以上である。確固としたIT技術があれば、それを伝えるインターフェイスである英語の部分は、多少荒削りでもよいということが分かっていただけたと思う。皆さんもぜひ英語力を身につけて、IT技術者としての可能性を広げてほしい。私も引き続きリスニング能力をbrush upすることを約束する。

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